月組「フリューゲルー君がくれた翼」感想、月城かなとが圧巻! 蓮つかさ最後の舞台!

同期の花組トップスター柚香光の退団発表という、大きなニュースが宝塚ファンの心を揺るがせていたお盆明けに、月城かなと率いる月組公演「フリューゲルー君がくれた翼」がスタートしました。

月城かなとがトップに就任して以来、月組の人気は鰻登りで、宝塚大劇場でもなかなかチケットが取れなかったのですが、今回の「フリューゲルー君がくれた翼」はベルリンの壁がテーマということもあってか、チケットが取りやすいと噂されていました。

しかし、初日が開いてからは、お芝居・ショーともに大評判です。

私も今まで取れなかった阪急交通社のエレガントプラン(1階10~12列センター確約)と宝塚友の会のSS席が当選し、良席で二日間に渡って観劇してきました。今回はお芝居「フリューゲルー君がくれた翼」についての感想を綴ります。

月城かなとの軍服姿と動作が美しすぎる!

美貌を誇る月組トップスターの月城かなとさんの軍服姿が美しいのは、容易く想像できますが、宝塚歌劇によく登場する、西欧の皇太子などの着用する「高貴な軍服」ではなく、ちょっと生々しさが残る東ドイツの人民軍人の軍服姿も凛々しく美しい。

作・演出の齋藤吉正先生によると「稽古場でのれいこさん(月城の愛称)のスタイルはまさに己に厳しく、規律に、きっちり!彼女は常に組の仲間に背中を見せてくれ」ているということで、規律ある精神から滲み出る軍服をまとった芯のある動作は、潔いほど美しい。

そして、さりげなく出てくる「可愛らしいユーモア」や、幼い頃に生き別れた母を憎んでいると言いながらも慕う切なさが、主人公ヨナスをより魅力的な人間にしています。

 

蓮つかさの最後の舞台

今作で退団する蓮つかさ。「れんこん」の愛称で月組生やファンに慕われてきました。歌、芝居、ダンスのどれも確かな実力を持ち、2017年の「All for One」では主人公ダルタニアン役で新人公演主演を果たしました。

しかし、実力や美しい容姿、人気の割に役付きはあまり良くなかった印象があります。

そんな中でも、トップスター月城かなとの大劇場お披露目公演では、同期のヒロイン海野美月演じるみゆき姫の忠実な従者、狸吉として芸域の広さを改めて感じました。また、直近の別箱(東急シアターオーブ)公演「DEATH  TAKES  A  HOLIDAY」では、ヒロインの父親役として大活躍でした。

退団公演となる今作では、みどころも多くファンも大満足。ミュージカル「フリューゲルー君がくれた翼ー」では、ソビエト兵、KGB(ソビエト連邦国家保安委員会)、ヨナスの母にかつて命を救われたユダヤ人の父、そして本役のワルシャワからやってきた弁護士と、いろいろな役で目と耳を楽しませてくれます。

弁護士役では、ヨナスの母が乗る車椅子を押して、銀橋を渡り、歌う場面もあります。

また、ショー作品、東京詞華集(トウキョウアンソロジー)「万華鏡百景色(ばんかきょうひゃくげしき)」でも大活躍。

付喪神、大殿として出演後、中詰ではCity  Boyとして6名の真ん中で歌い、銀橋をはける時は最後尾でお手振り等のファンサービスもあります。客席降りではね22列目まで走り、トップスターの月城かなとさんが絡んできてくださる日もあったとか。(千秋楽では月城さんが蓮さんをハグする場面も!)

後半は、「渋谷の男」として、サラリーマン姿で満員電車に揺られ隣の人にぶつかって謝る小芝居もあり、フィナーレへ。

そしてラスト、聞いてはいましたが、蓮つかささんが「ひとりで大階段を降りてくる」客席からの拍手がひときわ大きくなり、私も力の限り拍手しながら、涙がこみあげてきました。

お芝居、ショーの作・演出を担当した、齋藤吉正先生、栗田優香先生の蓮さんへの愛が感じられて、温かさでいっぱいの公演となっています。

 

宝塚大劇場公演は無事に完走しました。千秋楽翌日には、トップコンビの次回大劇場公演での退団も発表され、東京公演への期待も高まっています。

東京公演も無事に完走できることを祈っています。

 

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