永久輝せあ、全国ツアー初主演、宝塚花組公演「激情~ホセとカルメン」千秋楽挨拶

11月17日、大阪梅田梅田芸術劇場メインホールで初日を迎えた、花組の2番手男役スター、永久輝(とわき)せあが全国ツアー初主演となった、ミュージカル・プレイ「激情」―ホセとカルメン―(柴田侑宏脚本、謝珠栄演出、振付)とネオ・ロマンチック・レビュー「GRAND MIRAGE!」(岡田敬二作、演出)が、12月12日愛知刈谷市総合文化センターアイリスでの千秋楽で、全国9箇所を巡る全日程を無事に駆け抜けました。

 

ミュージカル・プレイ「激情」―ホセとカルメン―は、次期トップコンビ?

「激情」は、「カルメン」をモチーフに、演出の柴田氏がドン・ホセを主人公にして、その波乱に満ちた人生を現代のスペインを舞台に脚色したミュージカル。スペインセビリアの下士官ドン・ホセが、自由奔放に生きるロマの娘カルメンに魅了され、彼女への愛によって落ちていく様子を描いています。

ドン・ホセを花組2番手の永久輝せあさん、カルメンを105期ながらヒロイン経験の豊富な星空美咲さんが演じました。このコンビは永久輝せあさんの東上公演「冬霞の巴里」でも姉と弟と言う設定ながら組んでおり、花組次期トップコンビと予想されています。

逆風の中、全国へ

初日は舞台稽古の遅れにより30分遅れて幕が開きました。初日の永久輝せあさんは、

「早く皆さまにお届けしたい、早く見てほしい、その一心で今日まで過ごしてまいりました。お客さまのおひとり、おひとりの心に届いていますように宝塚のすばらしさを見てもらえたら」と涙を浮かべて挨拶をしていました。

宝塚歌劇団への逆風の中、稽古も予定通り進まず、大変だったことが想像されますが、各地で暖かく迎えられたこともあり、北陸公演では、ショーの中で方言を入れたアドリブも飛び出し、永久輝せあさんの表情から硬さが取れたように感じました。

 

永久輝せあさんの千秋楽挨拶

花組全国ツアー千秋楽を無事に駆け抜けた永久輝せあさんのご挨拶が、タカラヅカスカイステージのタカラヅカニュースで放映されました。

組長さんである美風舞良さんが、

「専科より凪七瑠海さんにご出演いただきました。」と凪七さんを紹介した後、ご当地出身者の滝みらいさんと、この公演から副組長となる紫門ゆりやさんを紹介して、主演の永久輝せあさんのご挨拶へ。

「全日程完走できましたこと、誰ひとり欠けることがなくここまで来れましたこと、そして刈谷の地で無事幕を下ろすことができますことに、心からホッとしております。」

「全国各地を回って公演していく中で、宝塚に触れてこぼれるお客様の笑顔、舞台では魂を燃やして歌い踊る仲間たちの姿、それを見てお客さまの心がキュンと動く瞬間、そんな景色をひとつひとつ拾い集めていましたら、私のスーツケースは『もうこれ以上入らんぞ!』と言うくらいいっぱいになりました」

スーツケースの比喩が面白く、ユーモアがあって、客席からも温かな反応がありました。

「改めて、志をともにできる仲間と、想いをともにできるお客さまと作る、この舞台という空間が本当に大好きだなと実感することができました。」

「この舞台に立つ3時間という時間は何ものにも代えられないものだと心から味わうことができる、まるで贈り物のような、そんな公演期間でございました。」

「(公演に関わってくださった)皆さんにこの感謝の気持ちが伝わりますようにと心から願いを込めまして、本日まで本当にありがとうございました。」

凪七瑠海さんへの感謝

次のカーテンコールでは、専科の凪七瑠海さんに対して、「この公演に本当に大きなお力添えをいただいております専科の凪七瑠海さん」と紹介し、

「今から感謝の気持ちをお伝えしようと思うんですけれど、花組のみなさんの想いが、わたしひとりで代弁できるかわからないんですけれど」

「舞台でのかっこよさと素敵さは皆さんご存知だと思うんですけれども、舞台の裏では本当に花組生をいつも元気づけてくださって、毎日笑顔にしてくださいました。」

「かちゃさんがまるで魔法の粉のように宝塚への熱い思いや、わたくしたち花組生への熱い愛情をブワーっとふりかけてくださったおかげで、わたくしたちはのびのびと前を向いて朗らかに舞台を務めることができました。本当にありがとうございました。」

と語るうちに永久輝せあさんの目に涙があふれてきて、この言葉に凪七さんも涙ぐんでいました。

花組ポーズで1年の締めくくり

3度目のカーテンコールはスタンディングオペレーションに。

翌13日が千秋楽となる柚香光さん率いるチームのコンサートへのエールと、自分たち全国ツアー組は年内の舞台納めということで、「一年分の感謝の気持ちを込めまして、花組ポーズで一年を締めくくってみたいと思います。」

花組ポーズの説明のあと、永久輝さんの「花組〜」の掛け声に続いて、皆で「最高!」と花組ポーズで盛り上がりました。

幕が降りる前に、スタッフの方々からのサプライズのハートが降ってきて、出演者もびっくり!永久輝せあさんはまたまた泣きそうになっていました。

最後のカーテンコールでは、「上からハートが降ってきました」と観客に見せる仕草の後、「皆さまの温かい気持ちが心に沁みます。2023年、大変お世話になりました。」

「少し早いですが、メリークリスマス。そして、良いお年をお迎えください。」という永久輝せあさんの言葉で全国ツアーが終了しました。

2番手になったばかりで、大変な状況の中での全国ツアー公演。初日の開演時間が遅れるほどのギリギリの中でスタートし、言葉にはできない思いや心労があったことと思われますが、凪七さんやスタッフの皆さんからの温かな力添えを受けて無事にやり切ったことに対して「心から誇りに思う」と言っていた永久輝せあさん。

この全国ツアーで一回り自信をつけたように感じました。お疲れさまでした。

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