花組の2番手男役スター、永久輝せあが全国ツアー初主演となるミュージカル・プレイ「激情」―ホセとカルメン―(柴田侑宏脚本、謝珠栄演出、振付)とネオ・ロマンチック・レビュー「GRAND MIRAGE!」(岡田敬二作、演出)が、11月17日、梅田芸術劇場メインホールで初日を迎えました。
ミュージカル・プレイ「激情」―ホセとカルメン―の見どころ
「激情」は、「カルメン」をモチーフに、演出の柴田氏がドン・ホセを主人公にして、その波乱に満ちた人生を現代のスペインを舞台に脚色したミュージカル。スペインセビリアの下士官ドン・ホセが、自由奔放に生きるロマの娘カルメンに魅了され、彼女への愛によって落ちていく様子を描いています。
初演は1999年の宙組、姿月あさとと花總まりコンビ。2010年に柚希礼音、夢咲ねねの星組トップコンビによる全国ツアーで再演、2015年には珠城りょう、愛希れいかの月組全国ツアーでも再演され、今回が4度目の上演になります。
ドン・ホセを永久輝せあさん、カルメンを星空美咲とさん、柚香光、星風まどかの現花組トップコンビ退団後の、次のトップコンビを想像させるような全国ツアー公です。
全国9箇所を回るこの公演、稽古が遅れ、初日は30分遅れて幕が開きました。
永久輝のドン・ホセは、制服姿も凛々しく、純情で真っ直ぐな性格の青年という設定にうまくはまった適役。カルメン役の星空は、魔性の女を演じています。
前回の月組公演で原作者のメリメと盗賊ガルシア役の二役を演じた凪七瑠海(なぎらるみ)が今回も専科から特別出演し、抜群の安定感をもたらしています。
その他主な出演者は、ホセの上司スニーガの紫門ゆりや、エスカミリオの綺城ひか理、ロマの仲間、ダンカイレの帆純まひろ、レメンダートの一之瀬航季といったところ。娘役ではホセの婚約者ミカエラを咲乃深音が演じています。
ロマンチック・レビュー「GRAND MIRAGE!」、大劇場公演との違い
ロマンチック・レビュー「GRAND MIRAGE!」は大劇場公演に比べてゴージャスさに欠けるものの「ストレンジャー・イン・パラダイス」や「キス・ミー・ケイト」、「アルディラ」などのイタリアンカンツオーネ、そして「シボネー」と耳に心地よい懐メロが次々に登場して、永久輝を中心に凪七、綺城、帆純と花組の男役スターが登場し、宝塚らしいクラシカルで品格のあるレビューが繰り広げられています。
大劇場バージョンでは柚香さん、星風さんのトップコンビが歌い踊ったパートを、永久輝・星空ペアが担当し、専科の凪七さんのための新場面が加えられ、小人数ながらもパステルカラーで埋め尽くされた優雅なレビューとなっています。
私が観劇した11月末の北陸公演では、全国ツアーにすっかり馴染んで、地名や方言のアドリブも出て観客席も大喜びの温かな空気が流れていました。
永久輝せあの初日挨拶
花組全国ツアー初日のカーテンコールで挨拶に立った永久輝さんのご挨拶をスカイステージのタカラヅカニュースで見ました。
「早く皆さまにお届けしたい、早く見てほしい、その一心で今日まで過ごしてまいりました。お客さまのおひとり、おひとりの心に届いていますように宝塚のすばらしさを見てもらえたら」と涙を浮かべていたのが胸に響きました。
永久輝せあさんのプロフィールは、こちらをご覧ください。
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