8月13日に宝塚大劇場で千秋楽を迎えた宝塚花組公演「鴛鴦歌合戦」を初日が開いて間もない7月の週末に2日続けて観劇してきました。
今回はその時に特に印象的だった3名の退団者について記します。
鴛鴦歌合戦(花組公演)は立ち見も出る盛況ぶり
「鴛鴦歌合戦」は戦中の映画が原作の和物ということもあり、宝塚大劇場では前売りでのチケット完売には至りませんでした。
しかし、初日が明けてからは、悪者がひとりも出てこない明るい作風と花組生たちの軽妙な演技が好
評で、8月に入ると平日公演でも立ち見が出る人気となりました。
全体の雰囲気が明るく、肩肘張らずに笑えて楽しいオペレッタ「鴛鴦歌合戦」と、宝塚らしい品のあるクラシカルなレビューショー「GRAND MIRAGE!」の組み合わせは、心をほっこりさせます。
特に今回私が感動したのは、退団者への手厚い場面です。脚本・演出を担当した小柳先生もプログラムに寄せた文章中で3人への温かな言葉を語っています。
今回は3人の退団者の見どころを、紹介します。
鴛鴦歌合戦ー航琉ひびきさんの見どころ
副組長を務める航琉ひびきさんの役どころは、殿様やヒロインお春の父である骨董好きの志村狂斎に偽物の骨董品を高く売りつける、道具屋六兵衛。
あくどい商売をしながらも、最後に目利きなところを見せ、物語のキーマンのひとりです。
鴛鴦歌合戦ー和海しょうさんの見どころ
和海しょうさんは、トップ娘役星風まどかさん演じるヒロインお春の父親役。
出演シーンが多く、自慢の美声が心地よい。人が良いので騙されやすく、お米を買うお金で偽の骨董品を買ってきたりして、娘のお春に「お父さん嫌い」と言われてしまいます。
最後にお春に言う台詞「心の真珠を掘り起こしたなぁ」が感慨深かったです。
鴛鴦歌合戦ー春妃うららさんの見どころ
春妃うららさんは、新人公演のヒロイン経験もあり、品のある可憐な美しさが人気の、97期の娘役さ
んです。
この公演で晴れて2番手の大羽根を背負った同期の永遠久(とわき)せあさん演じるバカ殿の妻を演じています。出番も多く、骨董や女性に目のない殿を支えるしっかり者。同期コンビの温かな関係性も感じられ、ソロで歌う場面もあります。
久しぶりに宝塚大劇場での公演を休演もなく完走した花組。9月2日から始まる東京公演も、明るく元気に完走してほしいです。
コメント